●十二因縁
縁覚を要求するものに説かれたのが、十二因縁の法です。
無明・行・識・名色・六処・触・受・愛・取・有・生・老死の十二をいいます。
無明=迷妄心(道理がわからず、事実でないことを事実だと思い込むこと。心の迷い。)
行=迷いの心によって不完全な行為をなし、その結果として迷いのこの世界に生まれてくること。
識=この世に生まれたときに具えて不完全な性質のこと。
名色=名は心、色は身のこと。漸次成長するにつれ心身両方の働きが現れてくること。
六処=眼・耳・鼻・舌・身・意のこと。心身の発達につれ眼で物を見、耳で音を聴き、鼻で香りを嗅ぎ、舌で物を味わい、身で触れて硬軟や冷熱を知る。心に意識して物を分別する。
触=心身の発達につれ次第に複雑化し、次は外界に対する感覚が起こってくること。
受=感覚が起こってくると、それにつれ感情が起こること。
愛=感覚と感情に伴って、次は好き嫌いの念が起こること。
取=愛憎の念が起こると、次は好きなものを取り嫌なものを止めたいという選択作用が起きること。
有=その選択作用によって、善いと思うものに執着が起こり、差別が起こってくること。
生=その差別の結果、人生すなわちこの世の中というものが出来てくること。
老死=その人生の中で年老いて終わりに死ぬというもの。
参考資料
『法華経大講座』
他
