● 八大龍王(はちだいりゅうおう)
『妙法蓮華経 序品第一』に「八龍王有り、難陀龍王、跋難陀龍王、娑伽羅龍王、和脩吉龍王、徳叉迦龍王、阿那婆達多龍王、摩那斯龍王、優鉢羅龍王等なり。各若干百千の眷属と倶なり」とあって、釈尊が妙法蓮華経を説かれる会座に聴衆として参列したことが記されている。
①難陀(なんだ)龍王は護法竜神の代表。
②跋難陀(ばつなんだ)龍王は難陀の弟で、『大雲経の請雨曼荼羅』では、輪蓋(りんがい)龍王の下にこの難陀・跋難陀兄弟二竜を中心として他の五大竜王が回りを取り囲んでいる。
③娑伽羅(しやから)龍王は海と訳す。古来、請雨法の本尊ともいわれ、千手観音二十八部衆の一つ、法華経提婆達多品の八歳の竜女はこの竜王の娘である。
④和脩吉(わしゆきつ)龍王は多頭、九頭(くず)竜のこと。
⑤徳叉迦(とくしやか)龍王は和脩吉の同胞で、怒ると人畜を凝視して直ちに命終させるといわれる。
⑥阿那婆達多(あなばだつた)龍王は雪山頂の阿耨達池に住み、四大河を分出して人間界をうるおす。最も徳が高い。
⑦摩那斯(まなし)龍王について、『華厳経探玄記』第二に、「威徳有り、一切蝦蟇(がま)形龍の王となす」とある。
⑧優鉢羅(うはつら)龍王は、青蓮華池に住む。
参考資料
『日蓮宗事典』
他
