
●三十番神(さんじゅうばんじん)
三十番神というのは、日本国中に祀る30の神々が1ヶ月30日の間、毎日順番に国家と人々を守ることを言う。日蓮宗では、この神々を仰いで現世利益の祈願を捧げる慣わしが広く行われている。天台宗では、王法(天皇)と仏法が一致するという理論から、皇室を守護とする神々は即ち法華経を守護する神々であるという思想があった。いわゆる神仏融合思想で、平安時代の中頃には既に存在していたようである。この思想は更に進んで、如法経(法華経の写経)守護の神と仰がれるようになり、如法経の広がりと共に三十番神信仰は全国に及んだ。この三十番神信仰を取入れたのは、京都に開教した日像聖人である。ところで、天台宗でいう如法経三十番神は、日蓮宗に勧請されるものと基本的には同じである。『諸神記』下による。
日蓮聖人はかつて「神天上」の法門を唱え、日本国に正法(法華経)が行われないために、国土を守護すべき善神は天上に去ってしまい様々の災難が次々と競い起ると考えた。日蓮聖人の時に伊勢・八幡の二神を勧請し、日像聖人の時に三十社の神を勧請して「一と月三十のうち一日ごとに守護神をおく」と説明されるほどにもなった。こうして三十番神堂が日蓮宗の寺院内に建立されるようになった。更に寺の本堂に設ける過去帳には、毎日の題目と共に、その日を守護する神名が記されるようになったのである。
三十番神の順番
守護(1) 守護(2)
第 1 番 第27番 熱田大明神 愛知県 熱田神宮
第 2 番 第28番 諏訪大明神 長野県 諏訪大社
第 3 番 第29番 廣田大明神 兵庫県 廣田神社
第 4 番 第30番 氣比大明神 福井県 氣比神宮
第 5 番 気多大明神 石川県 気多大社
第 6 番 第20番 鹿島大明神 茨城県 鹿島神宮
第 7 番 北野大明神 京都府 北野天満宮
第 8 番 江文大明神 京都府 江文神社
第 9 番 貴船大明神 京都府 貴船神社
第10番 第 1 番 天照皇大神 三重県 伊勢神宮
第11番 第 2 番 八幡大菩薩 京都府 石清水八幡宮
第12番 第 3 番 加茂大明神 京都府 賀茂別雷神社
第13番 第 4 番 松尾大明神 京都府 松尾大社
第14番 第13番 大原野大明神 京都府 大原野神社
第15番 第 7 番 春日大明神 奈良県 春日大社
第16番 第 5 番 平野大明神 京都府 平野神社
第17番 第 8 番 大比叡大明神 滋賀県 日吉大社西本宮
第18番 第 9 番 小比叡大明神 滋賀県 日吉大社東本宮
第19番 第10番 聖真子権現 滋賀県 日吉大社宇佐宮
第20番 第11番 客人大明神 滋賀県 日吉大社白山姫神社
第21番 第12番 八王子権現 滋賀県 日吉大社牛尾神社
第22番 第 6 番 稲荷大明神 京都府 伏見稲荷大社
第23番 第19番 住吉大明神 大阪府 住吉大社
第24番 祇園大明神 京都府 八坂神社
第25番 第21番 赤山大明神 京都府 赤山禅院
第26番 第22番 建部大明神 滋賀県 建部大社
第27番 第23番 三上大明神 滋賀県 御上神社
第28番 第24番 兵主大明神 滋賀県 兵主神社
第29番 第25番 苗鹿大明神 滋賀県 那波賀神社
第30番 第26番 吉備大明神 岡山県 吉備津神社
第14番 大神大明神 奈良県 大神神社
第15番 石上大明神 奈良県 石上神宮
第16番 大倭大明神 奈良県 大和神社
第17番 廣瀬大明神 奈良県 廣瀬大社
第18番 龍田大明神 奈良県 龍田大社
守護(1)は禁闕守護、守護(2)は如法経守護をここでは記しました。
参考資料
『日蓮宗事典』
『ウィキペディア(Wikipedia)』
他


