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ちおういんブログ

●『一念三千』 その一

法華経(妙法蓮華経)究極の肝心の法門であり、これによって一切衆生の成仏の原理とその実現が説かれるのです。日蓮聖人はお釈迦さま一代の諸経の中で法華経のみが一念三千の珠を内包しているとし、一念三千の法門によって法華経の意義を明らかにしようとしたのです。一念三千の法門は中国天台宗の開祖天台大師(538~597)が創設されたものです。日蓮聖人は一層それをたかめたのです。
一念三千とは、一瞬一瞬の念(おも)いの中に三千の現象世界があるという考え方です。一心に十界を具えており、それぞれの一界がまた十界を具している(十界互具である)から百界になり、その百界は三種世間を具え、そこに十如是がはたらいているから三千種の世間を具することになるのです。かくしてこの三千種の世間は一人一人の一念にあって、心なければそのはたらきを失い、少しでも心があれば三千種の世間を具するといいます。
天台大師は方便品第二の十如是をよりどころとし、一念三千の論が説かれたと考えられるのです。また、一念三千を観念観法(心を集中し対象となるものを思念すること。物事の本質を観察して真理を体得すること。)といった瞑想の体験の追求などで理論を構築したとされるのです。
日蓮聖人は如来寿量品第十六の中に真意を求められ、一念三千の論理が展開されるのです。


『日蓮辞典』
『信行必携Ⅱ』
『お題目がわかる本』
『日蓮聖人遺文辞典 教学篇』
 他

 
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